プラセンタとは

プラセンタとは、胎盤のことです。
胎児の発育に必要不可欠なもので、1個の受精卵をわずか10ヶ月程度の驚異的なスピードで平均3kgにまで育てることのできる20種類のアミノ酸や活性ペプチド・核酸・ミネラル・ビタミンといった各種栄養素やグロースファクター(細胞成長因子)を豊富に含む成長パワーのかたまりと言っていいでしょう。
プラセンタの最大の特徴は自然治癒力の増大であり、それをからだに取り入れることで、あらゆる機能を改善し、不調の慢性化の防止が期待できます。
薬理作用としては、自律神経調節作用、基礎代謝向上作用、免疫賦活作用、抗疲労作用、抗アレルギー作用、血行促進作用、抗炎症作用、内分泌調整作用、強肝作用、肉芽形成促進作用、活性酸素除去作用、抗貧血作用、体質改善作用、抗突然変異作用と実に様々です。

プラセンタの種類

「プラセンタ」といっても、その種類はさまざまです。プラセンタの母体となる動物はヒト、豚、馬、羊、鹿などが挙げられますし、植物由来のプラセンタもあります。
ヒト由来のプラセンタは医薬品ですので、医療機関での処方が必要です。そのため一般に流通しているプラセンタは豚、馬、羊、鹿由来のものになります。中でも生産性やコストの面から、日本では豚由来のプラセンタが主流だと思われます。一方でアミノ酸が多く含まれる馬由来や、人体への吸収力が高い羊、鹿由来も、希少性が高く人気があります。
医薬品であるヒト由来のプラセンタはもとより、豚、馬、羊、鹿由来のプラセンタについても信頼性の高い学会発表や研究発表が数多くなされており、日々を健康的に生き生きと過ごすための様々な機能への関与などに確かな効果が期待できるものと報告されています。

□ 動物由来のプラセンタ

日本国内で多く流通しているのは豚由来のプラセンタです。豚は年に2回出産し、一度の出産で約10頭の子供を産むことから、プラセンタを大量生産できます。豚のプラセンタは、おもにサプリメントやドリンクとして流通しています。
そのほか人気の高いプラセンタとして、馬由来、羊由来があります。馬由来は、含有されるアミノ酸が豚の300倍と高く、効能も高いとされています。また原料が国産サラブレッドということもあり、安全性の高さも魅力の一つです。羊由来及び鹿由来のプラセンタはヒト由来の胎盤とアミノ酸組織が近いため、人体への馴染みが良いことが特徴です。

□ 植物由来のプラセンタ

英語では、植物の胎座も「プラセンタ」と呼びます。植物は胎盤を持たないため、植物由来のプラセンタは胎座からつくられています。胎座とは植物の種子を発芽させるエネルギーを含む部分ですが、胎盤のように成長因子は含みません。
植物由来のプラセンタの特徴はアミノ酸やコラーゲンを豊富に含んでいることです。例えば、「大豆由来のプラセンタ」は女性ホルモンの成分によく似たイソフラボンが豊富です。植物由来のプラセンタはエイジングケアよりも、美白や美肌効果を期待できます。

プラセンタ注射

プラセンタの注射製剤は、ヒト由来のプラセンタしか存在しません。日本においては厚労省から認可を受けた2製品があります。
プラセンタ注射の効果は、慢性的な疲労、肩こり・腰痛・ひざ痛、喘息・アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患、生理不順、生理痛、イライラ、冷えのぼせなどの更年期障害、月経前緊張症、自律神経失調症、関節リュウマチの症状の軽減、肝障害の改善など多岐にわたります。特に、慢性的に体調不良が続いている方、体力が落ちている方、不定愁訴にお悩みの方に効果的です(性別は問いません)。
男性の更年期障害様症状(LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群))や発毛、増毛にも効果があると言われています。 女性の方は美白(シミの予防と改善)・美肌(シワ、たるみを修復)効果もあり、乾燥肌や肌荒れ、皮膚の老化にも有効です。
内服に関しても、上記と同様のことが言えます。

プラセンタ注射による治療の頻度と
効果の発現

個々の方の症状の状態によって異なり、回数や頻度に決まりはありませんが、通常は週1回程度です。皮下注射による治療です。
ただし、最初の内は1週間に2回、約2ヶ月目以降は1週間に1回の割合でプラセンタ注射をするのが効果が出やすいとされています。
効果の出方は個人差があるので一概には言えませんが、大体3~4回の注射で効果を実感できる方が多いようです。

安全性と副作用

ヒト由来のプラセンタは「メルスモン」と「ラエンネック」の2種類が存在します。これらのプラセンタは厚生労働省より認可を受けており、医療機関でのみ取り扱われています。原料がヒトの胎盤であることから、安全性が高く人体へ馴染みやすいことが特徴です。
2つのプラセンタは製造方法は異なりますが、それぞれ厳格な滅菌処理工程を経ています。肝炎やエイズなどの感染のない健康なヒトの胎盤のみを原料とし、その他ウイルスや細菌は高圧蒸気滅菌により不活化されていますので、安全性に問題はありません。
一般にメルスモンは更年期障害などの治療に使用され、ラエンネックは肝機能障害の治療に用いられます。美容目的で用いられる場合、期待できる効果は2つともほぼ同等です。

医療の現場で使用され始めて50年以上の間、
一度も重大な副作用は報告されていません。
注射した部分に痛みや腫れを伴うことがありますが、1日- 2日で自然に消失します。